経済学史学会ニュース
The Society for the History of Economic Thought Newsletter

(藤井 賢治作成)
第12号(1998年8月10日) ISSN 0919-0384

幹事会


年報編集委員会より


公募論文投稿規定


次期幹事選挙について


創立50周年記念講演会


企画交流委員会関係


学術会議経済理論研究連絡委員会報告


経済学会連合報告


経済学史学会第62回大会プログラム


会員異動(省略)


会員名簿訂正(省略)


経済学史学会保存資料について


経済学史学会1997年度会計報告(省略)


経済学史学会1998年度予算(省略)


【部会活動】

関東部会

1997年度第3回例会

共通テーマ:「1848年――『宣言』と革命――」」 (*的場昭弘氏の「1848年革命と『共産党宣言』」報告要旨は次回に掲載します。)

『共産党宣言』における「個人的所有」と「アソツィアツィオン」

篠原 敏昭

ルイ・ブランと1848年革命

高草木 光一

1998年度第1回例会 共通テーマ「財政・公債の経済思想」 固有の重商主義期の財政政策思想――C・ダヴナントとW・パルトニ――

大倉 正雄

D.リカードウの減債基金制度批判――議会改革の主張との関連で――

益永 淳


関西部会

第133回例会

経済思想史におけるモラル・エコノミー論の射程――ホント&イグナティエフ 「『国富論』における必要と正義」再読――

中澤 信彦

アダム・スミスと租税転嫁の政治学

渡辺 恵一

第134回例会 ブルームズベリー・グループとメイナード・ケインズ――ヴァージニア・ウルフの誤解――

中矢 俊博


西南部会

第83回例会

セイ法則体系の位置付け

松尾 匡

R. フィルマーの政治思想

岡村 東洋光

私有財産権(制度)弁証史序説 ――経済思想史的に――

中村 廣治

第84回例会 古典派外国貿易論の展開:R. トレンズとJ. S. ミルを中心に

諸泉 俊介

合邦期イギリスにおける世界君主制論

村松 茂美

J. ステュアートにおける流通必要貨幣量の問題――「国内流通」と「対外流通」――

川島 信義


国際学会情報


国際学会参加報告


鈴木幹久会員を悼む

 名城大学商学部の鈴木幹久先生は,1998年1月25日未明,66年の「長くはない旅路」を 終えられました。大学の仕事を整理し,人間の平和への想いがこめられた「お別れの言葉 」を残されていた先生にとって,それは覚悟の死でした。

 鈴木先生は名古屋大学にて水田洋先生のもとで学ばれ,イギリス労働運動史の研究に取 り組まれてこられました。豊かで柔軟な構想力に支えられた研究をとおして,先生はイギ リス労働運動の歴史に新しい光をあて,その重層的・統一的な把握を試みられました。ま た,親友でもあられた永井義雄先生とともにR.オーエン『ラナーク州への報告』,E.J .ホブズボーム『イギリス労働史研究』を翻訳,この国に紹介されました。こうした先生 の研究業績はこの学会の共有財産としてうけつがれていくものと思います。

 いま,私は同じ大学の「同僚」として後悔の念を禁じえません。体調がすぐれなかった にちがいない先生に学部長の重責を4年にわたってお任せし,わずかしか残されていなか った研究時間を奪ってしまうことになりました。先生,どうかお許し下さい。  先生のご冥福を心からお祈り申し上げます。

(岸川 富士夫)

宮崎義一会員を悼む

 宮崎義一会員(京都大学名誉教授)は,1998年5月20日急逝された。氏は大正8年横浜に 生まれ,昭和18年東京商科大学を卒業し,昭和21年12月から昭和50年3月まで,横浜経済 専門学校・横浜大学経済学部に勤務し,50年4月京都大学経済学部に転じ,58年4月定年退 職,この間,経済研究所長を務められた。以後,東京経済大学,明治学院大学に教授とし て在職し,学士院会員に選任された。

 氏の業績は,初期の計量経済学的景気循環論からはじまり,後期の多国籍企業と,それ がもたらす世界経済の変化まで多岐にわたるが,学史研究としては,ケインズ『一般理論 』の研究を頂点に,マーシャル,ハロッド,J.ロビンソン,カレツキなど,一貫してケ ンブリッジ学派とその流れをくむポスト・ケインジアンの業績を追うものであった。学史 研究上の主著は『近代経済学の史的展開』(1967年)である。氏の研究の特徴は,こうし た深い学史研究をもとに,わが国の90年不況を分析するなど,理論と学史研究の有効性を 追い求められたことである。氏の蔵書のうち,経済学関連の和書は,福井県立大学に収め られている。

(伊東 光晴)

経済学史学会 第62回大会 宿泊・航空券予約の御案内


編集後記

 残暑お見舞い申し上げます。

 『学会ニュ−ス』第12号をお届けします。今回は郵送費節約のため,一連の幹事会選 挙関係の書類(「被選挙者名簿」「投票用紙」「投票用紙封入内封筒」「送付用封筒」, 大会案内および同出欠アンケ−ト葉書も同封されていますので,ご注意下さい。万一それ らのうち欠けているものがありましたならば,すみやかに,選管または事務局にお申し出 下さい。編集に尽力された石井信之,藤井賢治の両会員をはじめ多くの方々にお礼を申し 上げます。

(根岸 隆)
 青山学院が事務局を担当することになりましてから3号目のニュースは,比較的スムー スに出来上がりました。代表幹事の根岸先生,パソコン担当の藤井賢治氏,それに小生の 三者間の以心伝心のチームワークによって,学史学会に関する事務的作業は,自ずからア ダム・スミス的分業・協業の効果ともいえるものを生み出しつつあります。更に,学協会 サポートセンター(担当 荒木節子氏)のアドバイスも本学会の経費節減などに大いに貢 献してくれました。最後に,本号作成にあたって御尽力頂いた各委員会のメンバーの方々 と学会員のご協力に感謝致します。
(石井 信之)
  ニュース作成のお手伝いをすることになって,これが3号目になりました。作成の手順 に慣れたということもありますが,何と言っても原稿がフロッピーもしくは電子メールで 入稿されるようになったことで作業は大幅に省力化されました。また,学協会サポートセ ンターの荒木さんの勧めもあって,前号より写真製版による印刷に変え,これによって少 なからず経費を節減することができました。関係の皆様のご協力に感謝いたします。
      (藤井 賢治)
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『経済学史学会ニュース』第12号
1998年8月10日発行
経済学史学会 代表幹事 根岸 隆
事務局 〒150-8366渋谷区渋谷4-4-25
青山学院大学国際政治経済学部(根岸研究室)
Tel. 03-3409-8111(代)
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