木村雄一 著『カルドア——技術革新と分配の経済学 一般均衡から経験科学へ』、名古屋大学出版会、2020年

発売日
:2020年
判型・ページ数
:A5判・256ページ
定価
:5,400円+税
ISBN
:978-4-8158-1006-1

目 次

序 章 ニコラス・カルドア
      —— 一般均衡から経験科学へ

     1 ニコラス・カルドア —— 現代経済学の巨人
     2 カルドアをめぐる先行研究 —— 課題と方法

第1章 現実の経済社会への関心
      —— ハンガリーからイギリスへ

     1 オーストリア=ハンガリー二重帝国
     2 カルドアの誕生 —— エリートユダヤ人の家庭にて
     3 第一次世界大戦とインフレーション
     4 ドイツ・ベルリン大学
     5 LSE —— アリン・ヤングと「ロビンズ・サークル」
     6 アメリカ留学とその後
     7 小 括

第2章 一般均衡理論の探究
      —— ミクロからマクロへ

     1 1930年代の経済学とカルドア
     2 均衡経済学
     3 企業の理論と不完全競争
     4 厚生経済学と補償原理
     5 オーストリア資本理論と景気循環論
     6 賃金と雇用、投機と流動性選好
     7 ミクロからマクロへ
     8 小 括

第3章 戦争と戦後の国際経済秩序
      —— 応用経済学者としてのデビュー

     1 ケンブリッジのLSE
     2 戦費調達と国民所得計算、社会保障と完全雇用
     3 国際経済秩序の再建 —— LSE辞職、国連、そしてケンブリッジ
     4 小 括

第4章 ケンブリッジ学派の主導者
      —— 成長と分配、法則と実証、二部門モデル

     1 カルドアとケンブリッジ学派
     2 成長と分配モデル —— 理論から法則へ
     3 「ジャン・バティスト・カルドア」
     4 シュンペーターとケインズの融合 —— 技術革新と分配の経済学
     5 資本主義と経済成長
     6 循環的・累積的因果関係論と収穫逓増
     7 未完成の二部門モデル
     8 小 括

第5章 エコノミスト・カルドア
      —— 理論と実践

     1 多才な実践派エコノミスト
     2 労働党政権の経済顧問 —— 税制改革の提言
     3 EC加盟反対の論陣
     4 開発経済学の実践と世界経済の安定
     5 ミルトン・フリードマンの「マネタリズム」との対決
     6 マーガレット・サッチャーの「新自由主義」への糾弾
     7 小 括

終 章 カルドアの遺産
     1 晩年の貢献
     2 資本主義、技術革新、分配の経済学
     3 一般均衡から経験科学へ
     4 社会改革・・・・のエコノミスト
     5 カルドアの遺産

 注
 参考文献
 ニコラス・カルドアの年譜
 あとがき
 人名索引
 事項索引

版元の紹介ページ: https://www.unp.or.jp/ISBN/ISBN978-4-8158-1006-1.html