鳴子博子編著『ジェンダー・暴力・権力 水平関係から水平・垂直関係へ』晃洋書房、2020年2月

発売日
:2020年2月20日
判型・ページ数
:A5・212ページ
定価
:本体2,600円+税
ISBN
:9784771032880

目次

はしがき

第Ⅰ部 革命・反乱・亡命

第1章 ルソー的視座から見た時間・空間のジェンダー「フランス革命」論
――戦争状態を終わらせるものは何か
鳴子博子
はじめに  
第1節 バスチーユ攻撃とヴェルサイユ行進  
第2節 8月10日の革命  
第3節 最高存在の祭典  
おわりに  

第2章 ナポレオンと植民地
――反乱,奴隷,女性
平野千果子
はじめに  
第1節 革命期のカリブ海植民地――ヴィクトル・ユーグを中心に  
第2節 奴隷制の再建へ  
第3節 歴史に埋もれた者――『混血女性ソリチュード』から考える  
おわりに  

第3章 19世紀亡命ロシア人社会における「むすびつき」
大矢 温
はじめに  
第1節 家庭環境  
第2節 むすびつく人々
第3節 錯綜する「むすびつき」
おわりに  

第Ⅱ部 国策移民・労務政策・女性の自由

第4章 移民史研究におけるジェンダー
――南方国策移民を軸にして
大久保由理
はじめに  
第1節 政策としての移民はいつからか
――移民政策の時期区分  
第2節 政策的移民モデル
――南洋移民・ブラジル移民・満州移民  
第3節 南方国策移民
――戦時南方移民政策の特殊性と連続性  
おわりに  

第5章 戦時期の女性労務動員が現代日本に残したもの
――「生理休暇」に焦点を当てて
堀川祐里
第1節 日本の労働基準法には「生理休暇」が定められている  
第2節 戦時下の女性労働者の月経への配慮  
第3節 生理休暇制定前夜
――赤松常子はいかに敗戦を迎えたか  
第4節 生理休暇制定の議論はどのように進められたか  
第5節 生理休暇は現代日本の労働環境の改善に一石を投じるか  

第6章 アイルランド共和主義と女性
後藤浩子 
第1節 憲法がもたらした女性のリプロダクティブ・ライツの侵害  
第2節 1922年の英愛条約批准ディベートにおける女性議員  
第3節 デヴァレラのフィアナフォイル結党と女性の動員  
第4節 そこにフェミニズムはあったのか  

第Ⅲ部 世代関係・自己所有・「食」の問題

第7章 権力関係の起源としての世代
棚沢直子
はじめに  
第1節 フェミニズム vs. 母子関係  
第2節 ジェンダー vs. 性社会関係  
第3節 西欧の普遍性 vs. 日本の特殊性  
第4節 世代社会関係概念の素描  
おわりに――権力関係の起源としての世代  

第8章 フェミニズムと自己所有
原千砂子
はじめに  
第1節 マクファーソン・テーゼ  
第2節 所有権の政治性  
第3節 ロックの所有権論  
第4節 リバータリアニズムの社会理論と自己所有権  
第5節 自己所有権命題は反駁可能か  
おわりに  

第9章 現代日本の「食」の問題とジェンダー
河上睦子
はじめに  
第1節 現代日本の「食」とジェンダーとの関係
第2節 食の世界におけるジェンダー構図
第3節 「家族の食」とジェンダー
第4節 食の「ジェンダー規範」からの自由
第5節 エコフェミニズムの「食」論
第6節 ポストフェミニズム時代の食のケア論
おわりに  

あとがき

版元の紹介ページ: http://www.koyoshobo.co.jp/book/b497712.html