御崎 加代子 著『アントレプレナーシップの経済思想』岩波書店、2026年3月

発売日
:2026年3月18日
判型・ページ数
:四六版 / 218頁
定価
:3,080円(税込)
ISBN
:9784000617468

18世紀のフランスに源流を持つアントレプレナーの概念の歴史をたどり、アントレプレナーシップの本質と現代的意義を再考する。

アントレプレナーシップとは何か? その概念はどのようにして生まれ、現代社会においてどのような重要性を持つのか? 本書は、18世紀のフランスを源流とするアントレプレナーの概念の形成と展開を正確にたどることにより、その本質を解き明かす。歴史的・思想的観点からアントレプレナーシップの現代的な意義を問い直す。

目次

 本書に登場する主な著作(初版年)と歴史的事件

序 章 なぜアントレプレナーシップの歴史を学ぶのか?
 アントレプレナーシップとは何か?――ドラッカーの定義
 イノベーションと政府の役割
 アントレプレナーは育成できるのか?
 企業者概念は、十八世紀フランスで生まれた――本書のアプローチ

第1章 企業者の出現――カンティロン
 カンティロンの研究史――ジェヴォンズから現代まで
 アントレプレナーシップの萌芽
 フランスのアンシャンレジーム(旧体制)とカンティロン
 『商業試論』における企業者像

第2章 王国の経済危機と農業――フィジオクラートの企業者像
 フランス革命前夜の財政危機
 フィジオクラートが提案した経済再生プラン
 資本家と企業者
 絶対王政は崩せず――ケネー、ボードー、テュルゴの企業者概念

第3章 企業者が果たすべき役割とは――J.B.セー
 ナポレオンとの決別
 革命後のフランスと遅れた産業化
 スミス『国富論』の受容と批判
 『経済学概論』――企業者概念の確立

第4章 社会の組織者としての企業者――サン=シモン
 空想的社会主義の誤解
 「すべては産業のために」
 企業者の社会的役割とサン=シモン主義
 産業主義から社会主義へ――労働者の境遇を改善するためには?

第5章 ゼロ利潤企業者のインプリケーション――ワルラス
 一般均衡理論の創始者
 企業者と利潤の消滅
 純粋経済学・応用経済学・社会経済学
 企業者としての国家――効率と公正の実現を目指して

第6章 イノベーションと創造的破壊――シュンペーター
 ワルラスとシュンペーター
 『経済発展の理論』――均衡を破壊する企業者
 企業者機能の無用化と資本主義の衰退
 シュンペーターの見落とし

第7章 アントレプレナーシップと不確実性――カーズナー
 カーズナーと新オーストリア学派
 カーズナーのワルラス批判
 不均衡是正のプロセス
 「均衡をもたらす企業者」と新自由主義

終 章 アントレプレナーシップの思想とは?
 企業者がもたらすダイナミズム――経済的合理性を超えて
 体制転換の契機としてのアントレプレナーシップ
 社会的公正を実現するためのアントレプレナーシップ

 あとがき
 参照文献
 索 引

版元の紹介ページ: https://www.iwanami.co.jp/book/b10159269.html