只腰親和・佐々木憲介編『経済学方法論の多元性――歴史的視点から』蒼天社出版、2018年6月

発売日
:2018年6月
判型・ページ数
:A5版・380ページ
定価
:本体5,500円+税
ISBN
:978-4-909560-25-4

目次


第1 部 経済学方法論の哲学的次元

第1章 経済理論における因果関係と相互依存関係―シュンペーターはどのように考えたのか
はじめに
第1節 『本質』と『発展』
第2節 経済発展論
第3節 景気循環論
第4節 道具箱としての経済理論
おわりに

第2章 存在論はなぜ経済学方法論の問題になるのか―方法論の現代的展開
はじめに
第1節 経済学の存在論とは何か?
第2節 経済学における実在論の問題
第3節 経済学方法論における存在論
結 論

第2部 経済学方法論の自然科学的次元
第3章 宗教・哲学・経済学―J・プリーストリーにおける自然哲学と道徳哲学 
はじめに
第1節 ユニテリアニズムと哲学的必然論
第2節 二つの哲学体系と知識の拡大
第3節 道徳哲学と哲学的必然論――国制論と経済論に着目して
結 論

第4章 数理経済学者たちの数学導入に対する認識―ジェヴォンズ主義、マーシャル主義とエッジワース
はじめに
第1節 ジェヴォンズとマーシャルの数学導入構想
第2節 エッジワースの初期二著作にみられる数学導入
第3節 ジェヴォンズ、マーシャルのエッジワースへの反応
第4節 エッジワースは「マーシャル主義」となったのか
結語にかえて

第5章 経済学実験の位置付け 
はじめに
第1節 ポパーの批判の意味
第2節 経済学史上の理論と実在の距離
第3節 経済学における実験の現場
第4節 構成主義的理論構築と厚生経済学
まとめ

第3部 経済学方法論の社会的次元
第6章 1830年代イギリス統計運動における経済学の方法的刷新─経済学と統計学はどのような関係にあったのか── 
はじめに
第1節 イギリス科学振興協会1831―1833
第2節 アドルフ・ケトレ、ケンブリッジ、「社会力学」と経済学
第3節 統計部会設置(1833)──ケンブリッジのクーデター
結語にかえて

第7章 ウェイトリのカタラクティクスとスミス分業論の関連 
第1節 経済学史上におけるカタラクティクス
第2節 スミスの分業論的学問論とウェイトリ
第3節 ウェイクフィールド『国富論』註解とウェイトリ
第4節 ウェイトリ『講義』の分業論
第5節 ウェイトリにおけるカタラクティクスの方法論的意義
第6節 ウェイトリ経済学方法論の社会的背景

第8章 現代経済学における方法論的対立―マクロ経済学を中心に―― 
はじめに
第1節 ケインズ反革命
第2節 二段階の革命
第3節 方法論の転換がもたらしたもの
結 語

第4部 経済学方法論の実践的次元
第9章 「経済人」という人間本性概念を乗り越える―ヴェブレンの経済学リハビリテーション・プラン 
はじめに
第1節 経済学における人間本性の再考
第2節 人間の社会性と社会の動態性
第3節 経済のダイナミクスと歴史の相対性
第4節 因果関係認識を質的な範疇によって補完する
おわりに

第10章 政府の「なすべきこと」と「なすべからざること」―ケインズはムーアとバークから何を学んだのか
はじめに
第1節 ケインズとムーア
第2節 ケインズとバーク――『バーク論』(1904)をめぐって
第3節 ケインズとバーク――『自由放任の終焉』(1926)をめぐって
結びにかえて

あとがき

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