福田徳三研究会、田中 秀臣 編集・解題『福田徳三著作集 第21巻 唯物史観経済史出立点の再吟味』 信山社、2024年12月

発売日
:2024年12月27日
判型・ページ数
:A5判変 / 258頁 
定価
:6,930円(税込)
ISBN
:9784797282276

階級的利害を超えた「真正のデモクラシー」を追求する福田の、「マルクスのアジア的唯物史観」への批判的検証とその到達点。

【目 次】

刊行にあたって
凡  例

◇序

◆第一章 問題の提出

 一 唯物史観における階級闘争と「原始共産制」との交渉
 二 唯物史観経済史出立点の決定における若干の疑問
 三 「唯物史観公式」なるものにおける「アインゲーエン」なる語に関する河上・福本両氏の解釈について
 四 「一のより大なる全体」に関する若干の文献考証
 五 本論に「再吟味」と題する所以

◆第二章 経済的社会構成の一階段としての「アジア的」社会

 一 『経済学批評』、『賃銀労働と資本』、「印度論」、『資本論』第一巻等におけるマルクスの発言
 二 一八六八年「エンゲルス宛書簡」におけるマルクスの言
 三 二つの問題とそれについてのマルクスの研究の過程
 四 ヘーゲルの『歴史哲学』における「アジア」
 五 一八五九年前後におけるマルクス文献に亘っての一考証
 六 一八五三年の「印度論」についての一傍証 関係文献年次一覧

◆第三章 『共産宣言』及び『賃銀労働と資本』に至る「アジア的」を中心として見たるマルクスの見解の成立 ヘーゲルからの出立とヘーゲルの止揚

 一 『共産宣言』第一節とクノーの解釈
 二 ヘーゲルの四階段原則
 三 ヘーゲルの「シェーマタ」とマルクスの見解とに関するクノーの解釈
 四 ヘーゲルからの出立とシュタインの影響
 五 ヘーゲルからの脱出
 六 マルクスのプルードン讃美としての『神聖なる家族』
 七 『ドイッチェ・イデオロギー』の所有形態観
 八 マルクスのプルードン駁撃及び『駁グリューン論』に表れた彼の見解の一発展
 九 ヘーゲル止揚途上に起れる「アジア的」の閑却 『共産宣言』及び『賃銀労働と資本』におけるマルクスの到着点
 十 ヘーゲルの私有財産観からのマルクスの乖離 プルードンの影響
 十一 人格の特定発展より経済的「アンタゴニズム」への進展
 十二 ヘーゲル止揚の試し斬りとしてのプルードン排撃 「アジア的」を認めざる『共産宣言』の成立
 付 記

◆第四章 『共産宣言』以後における唯物史観の仕上げ過程 殊にマルクスの支那及び印度論

 一 マルクスのロンドン生活
 二 長髪賊の乱とマルクスの支那論
 三 東洋社会の理解始まる
 四 マルクスのインド論
 五 一の古い公式報告
 六 ラッフルズ『ジャワ史』との関係
 七 土地共有制度に関係なし
 八 リャザーノフ氏のひいきの引き倒し的解釈

◆第五章 印度村落制度とこれに関するマルクスの混同・誤解

 一 マルクスの唯物史観経済史の出立点としての「アジア的」の意義
 二 ヘーゲルへの回帰と「公式」における経済史観に関する最根本的疑問
 三 唯物史観にまつわる常山の蛇 階級闘争観と「原始共産・共有制」との扞格
 四 キャンベルの『近代の印度』
 五 キャンベルの「単純村落制」
 六 キャンベルの「民主的共有村落制」
 七 インドにおける土地所有の諸形態
 八 ベーデン-ポーエル氏の謬りを訂す
 九 インド村落制に関するマルクスの混同
 十 キャンベルによるインド村落の根本的に相異なる二大種別
   付 インド村落二大種別分布図

■解 題〔田中秀臣〕

年 譜
人名・団体名索引
書誌索引

版元の紹介ページ: https://www.shinzansha.co.jp/book/b10107889.html