アマルティア・セン、バーナード・ウィリアムズ編『功利主義をのりこえて――経済学と哲学の倫理』 後藤玲子監訳、ミネルヴァ書房、2019年11月

発売日:2019年11月
判型・ページ数:A5・466ページ
定価:本体5,000円(税別)
ISBN:9784623086092

はしがき

序 章 功利主義をのりこえて(アマルティア・セン/バーナード・ウィリアムズ)

   個人道徳と単一基準
   公共選択と単一主権
   厚生主義と帰結主義
   情報と人格  
   効用と道徳的重要性
   権 利
   功利主義の装置
   還 元
   理想化 
   選 好  
   選択と評価
   抽象化 
   二層理論
   多元主義と合理性
   基本財と権利  
   功利主義をのりこえて

第1章 倫理学理論と功利主義( R・M・ヘア)

第2章 道徳性と合理的行動の理論(ジョン・C・ハルサニー)

 1 歴史的背景  
 2 合理的行動の一般理論の一部門をなす倫理学  
 3 道徳的価値判断のための等確率モデル  
 4 功利主義理論の公理的正当化  
 5 個人間効用比較  
 6 フォン・ノイマン=モルゲンシュテルン効用関数の利用  
 7 選好功利主義、快楽主義、理想的功利主義、不合理な選好の問題  
 8 反社会的選好の除外  
 9 規則功利主義vs. 行為功利主義  
 10 自由な私的選択の効用  
 11 結 論

第3章 功利主義の経済的な利用法(J・A・マーリース)
  
   代替的な自己
   個人間比較
   平 等
   異質な個人 
   未解決の判断
   手続きと結果  
   要 約

第4章 功利主義、不確実性、情報(ピーター・J・ハモンド)
 
 1 序
 2 静学的功利主義──目標と制約
 3 権利とリベラリズム  
 4 不確実性と期待事後社会厚生
 5 功利主義──事前と事後
 6 生命・身体を評価する  
 7 不完備情報と誘因制約
 8 内生的情報  
 9 結 論──功利主義の限界?  

第5章 契約主義と功利主義(T・M・スキャンロン)

第6章 善の多様性(チャールズ・テイラー)

第7章 道徳と慣習(スチュアート・ハンプシャー)

第8章 社会統合と基本財(ジョン・ロールズ)

第9章 功利主義的経済学者が抱える諸難題( フランク・ハーン)
 
 序
  1 政策と帰結
  2 変化する選好
  3 不確実な帰結

第10章 功利主義、情報、権利(パーサ・ダスグプタ)
 
 1 分配の正義と個人の権利
 2 厚生経済学の基本定理  
 3 情報の差別化と経済の分権化  
 4 ハイエク教授──進歩と自由について  
 5 権威と個人的裁量

第11章 酸っぱい葡萄──功利主義と、欲求の源泉(ヤン・エルスター)

第12章 自由と厚生(アイザック・レーヴィ )

第13章 どの記述のもとで?(フレデリック・シック)

第14章 学校に行くことの有用性は何か?――功利主義と権利論における教育の問題(エイミー・ガットマン) 
 
 1 幸福のための教育
 2 自由のための教育
 3 自由の社会的境界  
 4 教育の中身──職業訓練的か、理論的か?

解説に代えて (後藤玲子)
監訳者あとがき  
参考文献
人名・事項索引