ジェーン・ハンフリーズ / 原 伸子、山本 千映、赤木 誠、齊藤 健太郎、永島 剛 訳 『イギリス産業革命期の子どもと労働 労働者の自伝から』法政大学出版局、2022年2月

発売日
:2022年2月
判型・ページ数
:A5判 / 598ページ
定価
:価格 6,600円 (消費税 600円)
ISBN
:978-4-588-64548-8 C1030 

イギリス産業革命の推進力には、貧困状態にある多くの子どもたちの労働が含まれていた。研究史上これまで見過ごされてきた、617人にも及ぶ労働者たち自身による膨大な自伝資料・回想録を初めて徹底的に統計調査することで、過酷な重労働に従事した労働者階級の人々の個人的な物語と、その家族生活、親族関係、職業継承、徒弟制度、学校教育をめぐる歴史的な事実を明るみに出した画期的研究。

目次

日本語版への序
凡例/図表一覧

第1章 序 論
第2章 史料、モデル、コンテクスト
 はじめに
 史 料
 モデル
 文 脈
 結 論
第3章 家 族
 はじめに
 主流派家族史と家族構成の強調
 家族史と自伝による証拠
 家族の規模
 家族構成
 結 論
第4章 世帯経済
 はじめに
 生活水準についての主流派の議論と男性実質賃金の強調
 父親の職業、所得および地位
 男性稼ぎ主家族
 母親の職業、経済活動、家族の福祉への貢献
 母親の収入と家計所得への貢献
 結 論
第5章 家族関係
 はじめに
 兄弟姉妹──仲間そしてライバル
 親の利他的行為
 父 親
 母 親
 母子の紐帯に関する含意
 結 論
第6章 広範な親族
 はじめに
 家 系
 広範な親族と支援の提供
 日常の親族
 結 論
第7章 仕事の開始
 はじめに
 仕事の開始
 労働開始年齢と産業革命
 労働の開始の要因
 社会的規範
 所得とニーズ
 父親の収入
 成人労働の利用可能性
 戦争と戦後の混乱
 母親の貢献
 家族規模
 家族の機能不全と解体
 家族構成外の子ども
 生産資源へのアクセス
 労働開始年齢の決定要因
 結 論
第8章 仕 事
 はじめに
 最初の仕事
 大まかな職業グループによる最初の仕事の分布
 労働過程における子ども
 職業移動
 報 酬
 子どもの仕事と家族経済
 職場における規律
 結 論
第9章 徒弟制度
 はじめに
 徒弟制の広がりと傾向
 徒弟の価値
 徒弟契約
 補強のメカニズム
 徒弟制と労働力の産業への再配置
 救貧徒弟と貧困の緩和
 結 論
第10章 学校に行く
 はじめに
 産業革命期における識字能力と就学年数の趨勢
 就学状況の決定要因
 就学の費用便益
 就学の費用
 就学費用を減らす諸戦略
 就学の便益
 就学が職業・地位へどう帰結したかに関する簡単なモデル
 構造的な諸要因
 人口学的諸要因
 就学の職業・社会的地位への帰結についての二段階最小二乗法モデル
 労働者階級の学校の質
 学校における暴力
 結 論
第11章 結 論
訳者あとがき
文献一覧
人名索引

版元の紹介ページ: https://www.h-up.com/books/isbn978-4-588-64548-8.html