はしがき
本書の特徴・凡例
第Ⅰ部 経済学のあけぼの
第1章 経済学史の本質と意義――理論・政策・思想
1 学問・科学,そして経済学
2 経済学史の必要性と意義
3 学説の三位一体
4 本書の構成
第2章 経済の発見――古代から中世における経済の位置
【プラトン,クセノポン,アリストテレス,トマス・アクィナス】
1 経済の根源
2 古代の家政術
3 中世のスコラ哲学
4 現代への示唆
第3章 特殊な「近代」の出現――民主主義から資本主義へ
【ホッブズ,ロック,ルソー】
1 近代の始まり
2 激変する社会――四段階把握
3 社会契約説の三巨人
4 梃子の原理とバブル
5 経済に関する3つの類型
第4章 スミス以前の経済把握――重商と重農という観点
【ベーコン,ペティ,マン,マンデヴィル,ステュアート,ケネー】
1 科学精神の夜明け
2 重商主義における取引の推進
3 重農主義における自然の秩序
4 経済の把握から自然の支配へ
第Ⅱ部 経済学の古典的展開
第5章 経済学の生誕――スミスの利己心と共感
【スミス】
1 道徳哲学の伝統
2 『国富論』の市場社会像
3 『道徳感情論』の市民社会像
4 経済学の生誕から古典派の誕生へ
第6章 経済論争の時代――マルサスとリカード
【マルサス,リカード】
1 経済論争の始まりと前提
2 地金論争と穀物法論争
3 差額地代説と比較優位説
4 古典派の発展
第7章 古典派の集大成――J.S.ミルと社会改良
【セー,J.S.ミル】
1 折衷と刷新
2 経済学の目的・定義と分配論
3 定常状態と協同組合
4 古典派の終焉
第8章 反古典派の潮流――遅れてきたフランス・ドイツ
【シスモンディ,リスト,ロッシャー,シュモラー】
1 反古典派という潮流
2 シスモンディとフランスの伝統
3 リストと関税同盟
4 歴史学派の重層的展開
5 批判者の有用性
第9章 社会主義の挑戦――マルクスから現代へ
【マルクス,ヒルファディング,ルクセンブルク,レーニン,ホブソン】
1 社会主義思想の発展
2 マルクスの経済学批判
3 修正主義・帝国主義,そしてプロレタリア独裁
4 日本における独自のマルクス主義
5 マルクス思想の教訓
第Ⅲ部 経済学の現代的展開
第10章 限界革命の同時発生――三都物語
【ジェヴォンズ,ワルラス,メンガー】
1 新古典派経済学の誕生
2 ジェヴォンズと「水とダイヤモンド」
3 ワルラスと一般均衡理論
4 メンガーと欲望の帰属
5 現代経済学の出発点
第11章 新古典派の世界展開――英米と中欧・北欧
【マーシャル,ピグー,J.B.クラーク,ヴェブレン,フィッシャー,ベーム-バヴェルク,ヴィーザー,ヴィクセル】
1 新古典派経済学の拡散
2 ケンブリッジ学派の興隆
3 新興国アメリカの多様性
4 中欧と北欧の展開
5 新古典派経済学の世界展開
第12章 ケインズ革命――失業と貨幣
【ケインズ】
1 戦間期の洞察力
2 ケインズ革命の思想・理論・政策
3 ケインズの異端的な特徴
4 文明の可能性を求めて
第13章 孤高の経済学者――経済と隣接領域
【シュンペーター,ハイエク,ガルブレイス,都留重人】
1 孤高の意味
2 シュンペーターの新結合
3 ハイエクの自生的秩序
4 ガルブレイスの拮抗力
5 都留重人の科学者の社会的責任
6 後世への影響
第14章 経済学の現代的発展――精緻化から多様化へ
【サミュエルソン,フリードマン,ルーカス,フォン・ノイマン】
1 第二次世界大戦後の三画期
2 1930年代からの理論的発展
3 現代の新しい分野
4 異端派の大同団結
5 他分野とデータ駆動
第15章 経済学の歴史――過去・現在・未来
【シーニア,J.S.ミル,ロビンズ,マーシャル】
1 経済学的思考とは
2 経済学の定義と一般のイメージ
3 主流・傍流の分岐点とペア概念
4 経済学史の利点と責務
原典注
参考文献
用語集(Glossary)
人名・事項索引