平井 俊顕 著『ヴェルサイユ体制 対 ケインズ 説得の活動/ニュー・リベラリズム/新たな経済学』上智大学出版、2022年7月

発売日
:2022年7月8日
判型・ページ数
:四六判 / 540頁
定価
:4,620円(税込)
ISBN
:978-4-324-11156-7

第1次大戦後のヴェルサイユ体制下におけるケインズの時論的説得活動の全て

現代経済学の巨人・ケインズは、第1次世界大戦中は英国の大蔵省官僚であり、パリ講和会議には大蔵省首席代表として参加したものの、連合国の対独賠償要求に反対して辞任する。
ケインズがその後のヴェルサイユ体制に対しどのように対峙したのか。
政策立案者、政治経済評論家、説得活動家、ジャーナリストとして展開した広範囲にわたる活動を、一次資料を丁寧に読み解きながら考察する。

ケインズ研究で著名な著者が、新たな視点で切り込んだ学術書。

第1次世界大戦から第2次世界大戦勃発までの欧米の政治経済情勢を縦糸とし、その情勢のなかで諸個人がどのような活動を見せていたのかを横糸として編纂。
関連する多くの指導的人物の行動、思想、提案等も関連資料に依拠しつつ、分析・解説する。

 

目次

第1章 第1次大戦 ―― 覇権、確執、民族のスパイラル的暴発

第2章 パリ講和会議

第3章 『平和の経済的帰結』―― 「カルタゴの平和」 対 「ケインズ案」

第4章 ワイマール期、イギリス経済、ケインズの理論・政策活動

第5章 政治経済的混迷に立ち向かって ―― 政治的影響力を探りつ

第6章 「ニュー・リベラリズム」の展開 ―― ケインズの新しい社会哲学

第7章 賠償(および戦債)問題

第8章 20年代の欧米日情勢 ―― 共産主義・独裁の進展、国際協調、発展と停滞

第9章 30年代の欧米日情勢 ―― 破局に向かうヨーロッパ

第10章 『貨幣論』、そして『一般理論』へ ―― 1930年代のケインズ 

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