松本有一 著『ピエロ・スラッファ 非主流の経済学者』関西学院大学出版会、2021年10月

発売日
:2021年10月
判型・ページ数
:A5判 / 304頁
定価
:3,960円(税込)
ISBN
:ISBN978-4-86283-324-2 C3033

著者の二度に及ぶ英国ケンブリッジでの調査や一次資料に基づく諸研究を参照してスラッファの伝記的事項を中心にまとめる。また、『商品による商品の生産』に関する論考といわゆるスラッファ・ペーパーズの分析を含む。

目次

はじめに
第1部
第1章 イタリア時代のスラッファ
はじめに/生い立ち/大学生時代/グラムシとの出会い/ロンドン留学/イタリアでの職歴/1925年論文/カリアリ大学教授/通貨・金融問題に関する3つの論文/むすび
第2章 スラッファとグラムシの友情
はじめに/二人の出会い/イタリア共産党結成とグラムシ/グラムシの帰国/獄中のグラムシへのスラッファの支援/獄中のグラムシの健康状態と精神状態/グラムシ救出の試み/むすび/付録:スラッファとグラムシの手紙
第3章 ケインブリジのスラッファ
ケインブリジへ/「方程式」の定式化/1930年の誌上シンポジウム/リカード著作集の編集/ハイエクとの論争/大学講師辞職/1935年から1939年/マン島に収容/リカードの編集中断と研究再開/講演会「卓越した経済学者」/ボルトキェーヴィチを読む/ミル-リカード文書/母の死/リカード著作集の出版・モスクワ訪問/中国旅行/マヨルカ島へ/コルフ会議/大学定年退職/トリニティでのスラッファ/スラッファ逝去
第4章 ケインブリジでの交友
リチャード・カーン/ジョーン・ロビンソン/ヴィトゲンシュタイン/カレツキとガルブレイス
第5章 スラッファの蔵書
はじめに
1 スラッファの蔵書構築
2 デ・ヴィーヴォ編の蔵書目録
3 スラッファの古書収集のエピソード
水田洋/シモン・アブラムスキー/E. H. カー/アルノルド・ヘールチェ/菱山泉
むすび
第6章 リカード著作集の編集
はじめに
1 各巻の序文・解題から
2 総索引の作成過程
索引の作成過程──ゲールケ論文から/総索引の特徴──シェフォルト論文より/総索引出版の遅延
むすび
補遺 スラッファの金メダル受賞
第2部
第7章 スラッファ・ペーパーズ
はじめに/スラッファ・ペーパーズの概要/D2に関するカタログ記載事項/D2/4(価値論講義ノート)の構成
第8章 『商品による商品の生産』への歩み
はじめに
1 冒頭の諸命題
2 『リカード著作集』の編集とスラッファ自身の研究
3 1927年~1932年
4 1940年代
5 1950年代
6 印刷用原稿の作成から出版へ
むすび
補遺 『商品による商品の生産』の校正と訂正
第9章 スラッファと数学者たち
はじめに
1 4人の数学者とスラッファとのつながり
2 ワトスンからスラッファへの協力
3 チャンパーナウンからスラッファへの協力
4 ハリー・ジョンソンの指摘
むすび
第10章 生産方程式の端緒を探る
1 生産方程式に関するデ・ヴィーヴォとジリベルトの見解
2 生産方程式の端緒──デ・ヴィーヴォとジリベルトの議論の検討
むすび
補足 生産方程式という用語について
第11章 価値論講義と生産方程式の原型
はじめに
1 生産方程式の定式化
2 価値論講義ノート
3 価値論講義の準備段階 1927–28年
4 生産方程式の基礎にあるもの
第12章 生産方程式を着想した源は何か
はじめに
1 1927年夏から年末まで
2 生産方程式の基礎にある費用概念に関して
むすび
終 章 スラッファの理論的転換と生産方程式

スラッファ略年譜
スラッファ著作リスト
参考文献
あとがき
人名索引

版元の紹介ページ: https://www.ajup-net.com/bd/isbn978-4-86283-324-2.html