柳田 芳伸・原 伸子 編『経済学者たちの女性論:ジェンダーの視点で経済思想を問う』昭和堂、2025年11月
- 発売日
- :2025年11月20日
- 判型・ページ数
- :A5判 / 412頁
- 定価
- :7,370円(税込)
- ISBN
- :9784812224274
資本主義の成立と発展のなかで、過去の経済学者たちは女性や家族をどのように描いてきたのか。本書では、18世紀末から20世紀初頭の経済学者たちの思想をたどり、家事やケア労働の価値にも光をあてながら、これまで見過ごされてきたジェンダーの視点で経済思想を問い直す。
目次
序章 経済学者の女性論に見るジェンダー思想史
――近代社会と「ジェンダー秩序」 (柳田芳伸、原伸子)
■第Ⅰ部 産業革命期における女性解放の主導者たち
第1章 商業社会と女性
――ヒュームからトンプソンまで (山尾忠弘)
第2章 イギリス産業革命期の結婚と女性
――マルサスの所論 (柳田芳伸)
第3章 ベンサムにおける性的快楽主義と女性
――同性愛行為・宗教批判・結婚制度 (板井広明)
第4章 J. S. ミルの『経済学原理』における女性
――男女の平等から労働者の境遇改善へ (小沢佳史)
第5章 ハリエット・マーティノゥの経済学
――ヴィクトリア時代の異端派エコノミスト (舩木恵子)
■第Ⅱ部 福祉国家黎明期におけるフェミニズム運動の展開
第6章 ミリセント・フォーセットの賃金論
――賃金基金説から同一労働同一賃金の提唱へ (松山直樹)
第7章 「性の貴族制」から条件付き競争へ
――エッジワースにおける女性労働論の思想的変容 (上宮智之)
第8章 母性手当から家族手当へ
――エレノア・ラスボーンによる貧困調査とその解釈を中心に (赤木誠)
第9章 「革新主義時代」のフェミニズムと家政学
――無償労働の「発見」とジェンダー平等 (原伸子)
■第Ⅲ部 20世紀初頭の日本における女性平等思想
第10章 河田嗣郎の家族崩壊論の特徴
――高田保馬による批評を手がかりに (吉野浩司)
第11章 永井享の婦人論
――社会が求める女性像をめぐって (杉田菜穂)
第12章 石橋湛山の消費論と女性
――婦人経済会との関係を中心に (牧野邦昭)
